コックリさん、ウィジャボードの元になったテーブルターニング

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私が小学生の頃、放課後の教室でコックリ(狐狗狸)さんが流行っていました。女の子達が集まって、やっていたという印象があります。

アメリカでは、コックリさんによく似たものに ウィジャボードがあります。これは、1892年にパーカー・ブラザーズ社が、娯楽向けの占いグッズとして発売した商品です。

この二つは、似てるというか、酷似しています。コックリさんは、鳥居のマークの左右に、『はい』と『いいえ』、ウィジャボードも、OUIJAの左右に、『YES』と『NO』。左に『はい』や『YES』、右に『いいえ』や『NO』があり、位置も同じ。

コックリさんは、右から左へ、ひらがなを五十音順に縦書きし、その下に、左から一列で数字を1~9、次が0と書きます。

ウィジャボードは、アルファベットを横書きし、左から右へ、2段に書き、その下に、コックリさんと全く同じ順番で数字が並びます。

唯一、違うところは、ウィジャボードには、一番下に『GOOD BYE』があり、これが、コックリさんにはありません。

驚くほど似ているのですが、ほぼ同時期に世に出ていることから、どちらが先か分かりません。ただ、これらの元になったものは、1850年代にアメリカでブームになった Table-Turning テーブルターニングという降霊術です。

当時は、集まったら、お茶とテーブルターニングを楽しむと言われるほど、大流行したそうです。アメリカだけではなく、先進国を中心にテーブルターニングは知られ、テーブルさえあればできるという手軽さも良かったのかもしれません。

テーブルターニングも、いつ頃から広まり出したか、定かではありません。ただ、2世紀のキリスト教神学者 テルトゥリアヌスが、異教徒の話として、テーブルやスツールの動きでコミュニケーションが取れる霊を召喚したという記述があります。もし、これが元になっているとすると、儀式としての歴史は、かなりありそうです。

テーブルターニングのやり方なのですが、必要なものは、テーブルとそれを囲むように座る人だけです。小さいテーブルなら二人、中ぐらいのテーブルなら、4~5人。

どんなテーブルでも良いというものではなく、動かしやすいものになります。あまりに重くしっかりしたテーブルだと、動かせないということかもしれません。

薄暗い部屋の中で、テーブルを囲むように座り、指を広げた状態で両手をテーブルへ置き、静かになるのを待ちます。この時、疑いを持たず、何でも受け止めるような気持ちでいることが大事なようです。

静かになったところで、霊に対して質問すると、テーブルの動きで質問に答えます。これは、コックリさんやウィジャボードで、はい/いいえ、Yes/Noで質問に答えるようなものだと思います。

テーブルターニングで霊が降りてくる瞬間があるらしく、テーブルが動き出す前に、部屋のあちらこちらから変な物音がしたり、小さな置物などが急に動いたり、壁が振動し始め、その後、テーブルが動くとあります。

テーブルが動けば、霊が答えたことになるんですが。テーブルを囲む人の中で、驚かせたいという気持ちから、テーブルを意図的に動かすこともありそうです。

質問に対して、テーブルを囲む誰かが、質問の答えを知っており、それを伝えるためにテーブルを動かすとも考えられます。

当時のアメリカでは、テーブルターニングでは、悪魔が降霊していると考えられるようになり、テーブルが人の手を離れ、宙を舞ったり、思わぬ方向へ動いたという話が、いくつかあります。

ポルターガイスト現象は、ある特定の人の周りで起こる怪現象を指すのですが。物体が宙を舞ったり、激しい音がしたりという現象に、テーブルターニングを始める際の状況に似ており、何か関係があるような気がします。

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