適度な運動が、体にいいことは、誰もが認めるところですが。どんな簡単なエクササイズでも、長く続けるのは、難しいものです。
近年では、腹筋なら、ちょっと上体を上げるだけだったり、座っている時に、足を少し上げるだけなど、これ以上ないほど簡単であり、いつでも自宅でできます。それでも、継続する難しさは、変わりません。
なぜ、続かないかを考えた時に、一番大きいのが、自分ひとりで行うため、自分勝手にできることです。いつでもやめられる中、それでも続けたくなるよう自分を仕向ける必要があり、それに役立ちそうなのが、森俊憲 著 『読む筋トレ』という本です。
内容としては、自宅でトレーニングすることを前提に、そもそも、なぜ、鍛える必要があるのかについて、いろんな角度から書かれています。その中から、自分に合うものが見つかれば、意識は変わります。
エクササイズ本は、トレーニング法だけが書かれた本が多く、こうすればできる、このやり方がいいという話に偏りがちです。
読む方としては、確かに体を動かすことに関心はあり、体を動かすことが健康的なのも分かるのですが。そこまで、強いモチベーションがある訳ではなく、運動に慣れた人のように積極的になれない一面もあります。
この運動に対するモチベーションの低さを、こういういい事があるという切り口で、明るく考えさせ、しかも、それほど辛いトレーニングを提案しません。この甘い言葉が、運動不足の人を刺激し、その気にさせます。
どのような話かというと、本の中にも出てくるのですが。自分の体形を魅力的に作ることが究極のファッションであり、スタイルが良ければ、同じものを着ていても、見栄えが違います。
例えば、ユニクロのテレビCMでも、モデルのようなスタイルのいい人が着れば、当然、魅力的に見えます。これは、服のデザインよりも、着ている人のスタイルに目が行くためです。
ただ、見た目だけの話に留まらず、美容整形では満足できないなど、精神的な話にもなり、体を鍛えることで、自分の体をデザインし、心身ともにより良い状態にするというものです。
トレーニング本では、やればできるという押し付ける印象が強いものが多いのですが。この『読む筋トレ』は、そういうものではなく、トレーニング法も紹介しつつ、気持ちの上で、やる気にさせるところに特徴があります。
体を動かすのは面倒で、腰が重いという方なら、この本は、違った視点を与え、運動への大きな切っ掛けになりそうです。
特に、ダイエットに関心がある女性なら、モチベーションの持ち方や運動の仕方などで意識が変わるかもしれません。