潮凪洋介 著 『感情を自在にコントロールする極意』 嫌な人・失礼な人で腹が立たなくなる本

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社会人に限らず、学生でもそうですが、嫌な人と顔を突き合わせなけらばならない状況があり、逃れようのない人間関係に、強いストレスを感じるものです。

そんなときに、どのように行動し、どのように考えれば、腹を立てずに済むかというのが、この『感情を自在にコントロールする極意』という本です。

どういう本かというと、誰かの言葉に、ダイレクトに影響を受けて、イライラしたり、クヨクヨしたりするのではなく、その状況から、自分の感情を守るというものです。

感情のエクササイズとでも言うのでしょうか。この状況なら、こうする、こう言われたら、こう言い返すという対応の仕方、処理の仕方が書かれており、相手の言葉に無防備にならないようことが重要と説きます。

この本を読んでいると、一般的に、いわゆる良い人ほど、人間関係の狭間で、イライラやクヨクヨなど辛い思いをすものなのがよく分かります。

しかも、自分で、こうすることが良いことだと決めつけてしまい、その線引き自体に無理があり、そこで、自分を苦しめてしまう、そんな印象があります。

良い人のイメージ、大人だからと、あえて我慢が多い方向を選んでおり、その我慢が報われればいいのですが、そうとは限りません。こういう風に生きれば、もっと楽になり、楽しい日々が送れるという提案が書かれています。

具体的には、嫌な人からは、逃げれば良く、接触する時間を少なくする。さらに、何かを言われたときも、そのまま受け止めるのではなく、ドラマのワンシーンのような感覚で、客観的に状況を見るクセを付け、心が傷つかないよう、上手く対処するというものです。

中国のことわざに、『三十六計逃げるに如かず』があります。36種類の計略があるにしても、不利な状況では逃げるのも、一つの方法。ある程度、都合よく考え、よい結果を導くことが、結局は、世渡り上手ということになります。

この本は、考え方だけを示しているものではなく、どう行動するか、言い返すことの大事さにも触れています。いろんな状況に対して、こんな考え方もあるという具体的な内容で読みやすく、書き手のユニークさも感じられます。

言われた立場だけではなく、言う側としても、どのように言うべきかという点でも参考になるため、人付き合いが、不器用だなと自覚している人、社会人になったばかりで人間関係に悩んでいる人には、かなり役立ちそうな本です。

いろんな経験を経て、こういう考え方にたどり着くものですが。辛い経験を重ねる前に、知識として、頭に入っていると、気持ちとしては、楽に人生が送れそうな、そう感じさせる本でした。


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