高牟禮憲司 著 『"理由のない不安"を一瞬で消す方法』漠然とした不安を理解し、解消する方法が分かる本

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なんとなく感じる不安を理解し、その解消方法が書かれているのが、高牟禮憲司 著 『"理由のない不安"を一瞬で消す方法』という本です。

不安というと、学校のテストや試合前に、良い結果が出せるかどうかという不安など、自分自身で何に対して、不安を感じているか分かるものもありますが。漠然としていて、理由が分からない、ただ不安だけを感じるものもあります。

この本では、理由がよく分からない不安について、様々な理由を挙げながら、どのように対処すべきか、どんな解消法があるかが分かります。

無意識に考えてしまうことが、理由のない不安につながることもあれば、人が本来持っている習性や人の仕組みとして、不安を感じる状態を作り出すこともあり、興味深いです。

習性や仕組みによる不安は、その人が持つ考え方などとは関係がないため、それに対処できるようになれば、余計な不安を防げるため、前向きに生きるためのテクニックとしても、大いに役立ちそうです。

理由がない不安には、最近、増えているものとして、テレビ、パソコン、スマホ、ゲームなどにより、視覚や聴覚を極端に使うことによる五感の使い方の偏りをあげています。

視覚や聴覚を多く使うため、他の嗅覚、味覚、触覚の使用頻度が相対的に下がり、五感の使い方に偏りが生じ、慢性的な不安になるとあります。

このような不安を解消するため、触覚(触れた時に感じる感覚)を利用する解決法が紹介されています。

具体的なやり方なのですが。ゆっくり右手を強く握りしめる(10秒程度)、ゆっくり左手を強く握りしめる(10秒程度)、握りしめた左右の手が同じになるように調節(10秒程度)。

今度は、右手を半分にゆるめる(10秒程度)、左手も半分程度にゆるめる(10秒程度)、そのまま握りしめる力が左右の手で同じになるように調節(30秒程度)。

これを繰り返し行うことで、考え方が変わり、視野も広がり。不安に対して、良いとも悪いとも判断しない、ニュートラルなものの見方になるという話です。

この他、過去の記憶による嫌な気分には、丁寧な単純作業が良く、『役に立つ不安』(自分の行動でリスクが減らせる不安)と『役に立たない不安』(自分の行動では、どうにもならない不安)を分けるべきなど、気づかされることが多いです。

個人的に、不安に対するイメージが変わりました。これまで、どんな不安も不安は不安なのだから、一つのものと思っていたのですが。

この本を読むと、不安にも様々な理由があり、それに合わせて対処すれば、不安に悩まされることがないんじゃないかと思えるようになりました。

不安に対して、考え方をポジティブにすればいいという単純なものではなく、仕組みを理解し、不安解消のテクニックを身に付けるべきなのかもしれません。

慢性的に不安を感じたり、発想がネガティブになりがちな方が読んだら、人とは、こういうものなのかと考え方が変わり、明るく人生に前向きになれそうな、そんな本でした。


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