頑張らなければという強い意識が、必ずしも良いことではなく、休むことの大事さを説くのが、下園壮太 著『「がんばらない」仕組み――「心が疲れない」システム、つくりませんか?』という本です。
この本には、頑張らなければという一辺倒な考えを変え、どのようにして、がんばらない仕組みを作り、自身の良い状態を保つべきかが具体的に書かれています。
『がんばらない』という言葉から、怠けるような印象を受けそうですが。そうではなく、真面目に頑張り過ぎてしまう人が、そうならないようにというものです。
頑張り過ぎることが、うつ状態を引き起こすとあり、気分障害に苦しむ人が年々増えていることからも、誰にでも起こり得る身近なことなのが分かります。
やる気が起きないから、考え方を変えて、頑張るのではなく。そもそも、やる気になるような心身の状態ではなく、疲れているのだから、疲れを癒すのが先決というのも、うなずける話です。
どうしても、焦りもあるため、強引に進めようとすることが、かえって逆効果になり。休息を取り、仕切り直して、良い状態で効率よくというのも理解できます。
ただ、人それぞれで環境が違うため、難しいところもありそうです。そもそも仕事の量が過剰なため、自身の判断で休みが取れる状態じゃなかったり、上司が精神論なため、自分だけ休めないという状況もありそうです。
それでも、この本の中では、今やるべきこと、後回しにできることなどを分けて、仕事に線引きするようにも書かれていて、忙しい中でも、全てをやろうとせず、優先順位で分けられれば、残った仕事に悩まされず、割り切れるのも良さそうです。
怒りについては、視点を変えて、多角的に見るという話もあり、単純に、自分や相手だけではなく、時間、感謝、ユーモアなど様々。こういう考え方があると分かるだけでも、違った感覚で受け止められ、面白さから怒りも治まりそうです。
個人的には、焦って頑張り過ぎず、落ち着いて冷静に、無理なくを心掛けなければと感じました。今時な内容でもあり、手間を減らす工夫も、自分なりにしてみたいと思える本でした。