困難や逆境に直面した時に、しなやかに適応し、乗り越える力『レジリエンス』を高める方法が分かるのが、久世浩司 著 『なぜ、一流の人はハードワークでも心が疲れないのか? 』という本です。
厳しい環境においても、心が折れたり、ネガティブにならずに、精神的に元気な状態を保つためには、どのように物事を考え、どう対処すべきかが書かれています。
『気晴らし』は、たまに耳にする言葉なのですが。この本を読んで、科学的根拠がある『気晴らし』があり、少し捉え方が変わった気がします。
科学的な根拠がある『気晴らし』には、運動系(エクササイズ、ダンス、ジョギングなどの各種スポーツ)、音楽系(好きな音楽を聴いたり、演奏したり)、呼吸系(ヨガや瞑想、散歩など)、筆記系(日記や手紙など)の4つのカテゴリーがあります。
『気晴らし』というと、好きなことをやればいいという漠然としたイメージがあったのですが。効果的なものと考えた場合、この4つのカテゴリーのいずれかに当てはまることの方が良さそうです。
この本の中では、イラッとしたら、早足散歩をおすすめしており、余計なことを考えずに黙々と歩くことが良く、運動系と呼吸系を合わせたものという話です。
感謝についての話も興味深く。罪悪感は、憂うつ感や自尊心を下げることにつながり、困難を乗り越える力を弱らせ、逆に感謝は、ポジティブな感情であり、感謝が豊かな人は、打たれ強いとあります。
この話を読んだ時に、スポーツ選手が、試合後のインタビューで感謝の気持ちを伝える姿を思い出しました。
感謝には、ありがたいという気持ちを表すだけではなく、ポジティブな感情とも結びつきます。感謝できる出来事は、過去をさかのぼれば、いくつも見つかるため、感謝という感情は、得られやすい気がします。
ポジティブな感情が、ネガティブな感情を帳消しにすることからも、感謝の気持ちを上手く活かすことができれば、比較的簡単にポジティブな状態になりそうです。
この本は、厳しい環境でも、前向きになれるような内容なのですが。一生懸命やっても報われない、場の選択を間違った場合は、石の上にも3年などと言わず、そこに執着する必要はないとも書かれています。
この本を読むと、気づかされることが多く、精神的なタフさが身に付きそうな、そんな本でした。