自分を苦しめている罪悪感が、どんなものなのかを知り、どのように対処すればいいかが書かれているのが、根本裕幸 著 『いつも自分のせいにする罪悪感がすーっと消えてなくなる本』という本です。
誰かを傷つけてしまった時の罪悪感、助けられなかった時の罪悪感、何もできなかった時の罪悪感など、罪悪感にも様々なタイプがあるのが分かります。自分の罪悪感が、どれに当てはまるかが分かると、客観的に捉える切っ掛けになりそうです。
罪悪感は、人に話すようなことではないため、一人で抱え込んでしまい、自分だけが感じていることのように考えてしまうのですが。タイプ別に説明されると、自分だけが感じていることではないことも分かります。
この本では、罪悪感への対処法が、いくつか紹介されているのですが。自分の心を実況中継するよう観察するという方法があり、『自分は、○○と思っているなあ』というものです。
これにより、自分を否定したり、ダメ出しするようなことが抑えられるとあります。実況中継は、状況を伝えるものなため、罪悪感を感じる感情と適度な距離ができそうです。
本の中では、実況中継の内容が具体的で細かく。単純に、『自分は、申し訳ないと思っているなあ』というものではなく。もっと詳しく、誰かに対して、こういう状況になってしまい、申し訳ないと思っているなという感じです。
実況中継の内容が細かいほど、客観視のレベルが高いように感じられ、罪悪感を感じる感情とも離れやすそうです。考えない状況を作るというのも、大事なことなのが分かります。
自分自身に無罪を宣言するという方法もあり、自己暗示なものなのですが、これも興味深く。『私は私をゆるします。私は無罪です。私の罪はすべてゆるされました….』と繰り返し言葉にするというものです。
罪悪感は、他者に対して、悪いことをしたという罪の意識で自分を責めることなため、自分で無罪と宣言するというのも、方法として、アリな気がします。
無罪と宣言する時に、できるだけ淡々と感情を込めない方が良く。繰り返し無罪を宣言することで、安らかな気持ちになり、心が落ちくとあります。
罪悪感で笑顔になれないからこそ、自分が笑顔になることをするという話もあります。罪悪感を感じると、いたたまれず、自分の行動を制限しようとしますが、これが間違いのようです。
この本を読むと、罪悪感にさいなまれる前に、考える余地が生まれます。これが、徐々に大きくなれば、罪悪感を遠ざけることができそうです。
人生を前向きに生きるため、罪悪感を自分の感情だからと無条件に受け入れるのではなく、跳ねのけるべきものだと感じました。