人の習性などを活かして、自分を変える方法を説くのが、ケイティ・ミルクマン 著 『自分を変える方法──いやでも体が動いてしまうとてつもなく強力な行動科学』という本です。
やる気を継続しやすくしたり、やる気を起こさせたり、行動を促したり、人の習性を理解すれば、自分を変える方法が分かり、他人を操るヒントにもなりそうな本です。
タイミングが大事という話があり。本の中では、アメリカ人が貯蓄を始めるタイミングを何の意味もない日付よりも、次の誕生日などとすれば、その効果が、2,3割上がるとありました。
何かを始める時に、元日や自分の誕生日など特別な日と結びつけた方が、より継続しやすいとは、漠然と感じていたのですが。
このように、具体的に説明されると、それを上手く利用しようという気になります。ちょっとしたことなのですが、どんなことにも、良いタイミングというのはあるようです。
ゲーミフィケーションの話も興味深く。営業成績をバスケットボールのゲームで表現し、やる気に与える影響を実験したところ、効果がある人とない人に分かれ、強制的に参加させれば、逆効果になりかねないというものでした。
これは、このゲームをばかげていると感じた参加者は、ルール通りにやろうと思えず、仕事への満足感が下がったためと書かれていました。人それぞれで好みの違いがあり、誰にでも効果があるものというのは、難しいのが分かります。
この他、人は、自分だけは大丈夫と過信するため、賢明な判断ができないという話もあれば、ちょっとした手間を惜しむことで、相手の行動を誘導できたり、誰かにアドバイスしているようで、自分のアドバイスに自分が従うなど、気づかされることが多い本でした。
自分を変えるというのは、難しいことのようにに感じていたのですが。これらのテクニックを上手に活かせば、変えられそうな気がしてきます。
周りの人の行動が、本の内容といくつか重なり、その人の行動が理解できるという面白さもありました。