SideQuestは、非公認のアプリストアです。このアプリを使い、様々なVRゲームをMeta Quest2を通じて、遊ぶこともできます。
SideQuestは、公式アプリ Oculusには入れなかったVRゲームの受け皿のような存在です。多くのゲームアプリがある反面、ゲームとしてのクオリティに幅があり、不具合に見舞われる可能性も比較的高いです。
無料VRゲームでは、PCと接続して、PCVRとしての利用になるのですが、オンラインゲーム販売サイトの大手 Steamの方が、個人的に安心感があります。
ただ、SideQuestが注目される理由は、VRゲームを扱っていることだけではなく、このアプリからMeta Quest 2の設定が変えられることです。
Meta Quest 2の解像度を変えることで映像がハッキリ見えるようになったり、CPUやGPUの高速化、動画録画の画質を上げられたりもします。
ただ、面倒なところもあります。Meta Quest 2の電源をオフしたり、再起動すれば、SideQuestで設定したものが初期化され、設定が元の状態に戻ります。
そのため、Meta Quest 2の電源を切らずに、スリープで閉じるという使い方になります。それでも、動ける範囲を設定するガーディアンの再設定が必要になれば、元の設定に戻ることがありました。
設定したものが、初期化されてしまったら、再び、スマホなどとMeta Quest 2をUSBケーブルで接続し、SideQuestで設定変更することになります。
厄介なところは、スマホとMeta Quest2をUSBケーブルで接続すると、一回でスマホがMeta Quest 2を認識できれば、運が良く。たいてい、USBケーブルを何度か抜き差しして、認識させることになります。
USBケーブルで正しく認識された時に、SideQuestの左の一番下のボタンを押せば、ワイヤレスでの接続も可能になります。ただ、これも、Meta Quest 2の設定が初期化されてしまうと、USBケーブルからやり直しです。
もう一つ、行う上でのポイントになるのが、その効果です。動画については、高画質な動画じゃなければ、解像度を上げても効果があまり感じられません。
ただ、VRゲームについては、一部、解像度を上げたことで動作しないものもあるんですが、たいていのVRゲームは、より鮮明な映像になり、その効果が実感できると思います。
SideQuestの導入方法は、Meta Quest 2を開発者モードで利用できるように設定、あとは、PCやスマホとMeta Quest 2を接続し、SideQuestアプリからMeta Quest 2の設定を変更するだけです。
導入で手こずるポイントは、Meta Quest 2を開発者モードで使えるようにすることです。最初に、開発者団体の登録が必要です。開発者団体と言うと、堅い感じがしますが、こちらで決めた団体名を入力するだけです。
https://developer.oculus.com/sign-upへアクセスし、『登録する』を選び、フェイスブックのIDとパスワードを入力して、ログインします。

『FacebookアカウントでMetaアカウントを作成しますか?』に、『はい。次へ』を選択。連絡用に、別のメールアドレスの入力を求められるかもしれません。

『組織』と書かれた入力欄があり、それを押すと下に『作成』というボタンが表示されます。そこから、新しい組織を作成するのですが、組織名は、自分で決めたもので問題ないです。

デベロッパーアカウントを有効にするため、クレジットカード番号か、電話番号の登録が求められます。もちろん、非公開なため、私は、電話番号にしました。これで、開発者団体の設定が完了です。

後は、スマホなどから公式アプリ Oculusを開き、【メニュー】⇒【デバイス】⇒【開発者モード】を選び、Meta Quest 2が開発者モードに切り替えられるようになりました。
開発者モードに切り替えられるようになると、ガーディアンの設定自体をオフにすることができます。これが、Meta Quest2を起動する度に、ガーディアンの設定が求められるため、それが省けていいという話もあります。
次は、SideQuestアプリなのですが、こちらは、アプリをスマホやPCにインストールするだけです。Meta Quest 2の設定変更だけなら、ユーザー登録する必要もないです。

使い方は、USBケーブルでスマホとMeta Quest 2を接続します。この時、どちらも接続を許可するかどうかの警告が表示されます。

どちらも、許可すれば、真ん中のボタンにある赤い丸が緑色になり、これが正しく接続された状態です。
後は、SideQuestの一番右下にある【・・・】⇒【Tools】を押せば、Meta Quest 2の設定項目が表示されます。

設定できるものを一覧でまとめてみました。『CHROMATIC ABERRATION』は、色のにじみやズレです。初期設定は、アプリ側で調節するようになっています。
『CPU/GPU LEVEL』は、CPUとGPUのクロックレートを上げることで、処理を高速化します。2段階の切り替えしかないのですが、これを上げると消費電力も上がり、バッテリーの持ちが悪くなったり、熱を持ったりもします。
『FIXED FOVEATED RENDERING』は、周辺視野をぼかすことで負荷を軽減するためのものです。レベルが上がるほど、周辺の描画が荒くなり、その分、処理が軽くなります。
人の視力は、中心部が視力検査などで調べる視力なのですが。中心部ではない周辺部の視力は悪く、色の認識も弱いため、描画を荒くしてもという話です。
『FULL RATE CAPTURE』は、動画を録画する際のフレームレートを初期設定の30fpsから60fpsに変更できます。fpsは、1秒間に何枚の静止画を表示するかなので、30枚から60枚になれば、それだけ、動きが滑らかに録画できます。

『GUARDIAN』は、Meta Quest 2を起動した時に、周りとぶつからないようにするための機能で、これをオフにすることができます。これについては、開発者モードであれば、Meta Quest 2本体で設定できます。
『VIDEO CAPTURE SIZE』は、録画する際の画面サイズになります。ここを変更することで、16:9の横長なワイド画面サイズで録画できるようになります。
『TEXTURE RESOLUTION』は、解像度の変更です。使用するアプリが、より高い解像度に対応していれば、ここを変更することで高画質で楽しめるようになります。設定した解像度に対応できないアプリの場合、正常に動作できなくなります。

『SCREEN REFRESH RATE』は、1秒間に画面の書き換えが可能な回数です。初期設定では、72Hzなので、1秒間に72回書き換えできることになります。ゲームアプリが、対応しているかどうにもよるのですが、リフレッシュレートが高ければ、それだけ画面を更新する頻度が高くなり、映像が滑らかになります。
円滑に処理を進めるためには、CPUとGPUによる処理も重要になります。リフレッシュレートを上げても、描画が思うよにならない場合、CPUとGPUをLEVEL4に切り換えてみた方がいいかもしれません。
『Hand Tracking Frequency』は、コントローラーを持たずに手の動きで操作するハンドトラッキングの設定です。手の動きを読み込む頻度を変更することができます。
高画質なVRゲームをしたり、ゲーム中の映像を録画して、配信したいとなると、SideQuestでの設定変更は、不可欠かもしれません。
ただ、Meta Quest 2本体に負荷がかかるため、バッテリーの消耗が早くなったり、一部のVRゲームが動かなかったり、設定を変更することで、逆に映像が見難くなるということもあります。
様々な設定を変更して試しながら、自分好みに変えられるところに面白さもあります。