ナポレオン・ヒル著『思考は現実化する』　成功するために何が必要か、それをどのように身に付けるかが書かれた本

成功には、様々なカタチがあり、それぞれで違います。学生の場合、いい成績を取ることだったり、社会人の場合、会社での成果、売上を上げるなど、一口には言えないものです。

結果は、違いがあっても、根底にある物事に対する姿勢や考え方には、共通点があります。それを明らかにしながら、どのように身に付けるかを具体的に書いているのが、この本、ナポレオンヒル著『思考は現実化する』。

この本は、成功するためのノウハウ本です。一見、哲学書のような堅苦しい雰囲気がありそうですが、中身は、様々な成功と失敗のエピソードを交え、ポイントを明確に示し、やるべきことを断言するため、読みやすく分かりやすいです。決して、難解な難しい本ではありません。

著者には、障害を持った息子がおり、一見、タブーのような事にも、遠慮なく触れ、考えを述べるなど包み隠さない大胆さがあります。どちらにも受け取れるような曖昧な表現では書かれておらず、人生を賭けて、情報を集め、そこから生み出したノウハウという絶対の自信が伝わってくる文章です。

この本のタイトル、『思考は現実化する』という話から、考えていることが実現するという内容だけと思われそうですが。この本を読むと、その逆についても書かれているのが分かります。頭で考えて行動すし、実現するだけではなく、逆に行動により頭の中をコントロールすることも可能です。

つまり、どのように行動して、成功を収めるかについても書かれているのですが、行動により頭の中を変え、成功する思考に変えることができることも説いています。

そのため、やる気をいかに起こすか、どのようにすれば、そういう状態になるかにも触れ、心をコントロールする上で、想像力がいかに大事かが分かります。

例えば、やる気をいかに起こすかについては、この本によると単純に成功した自分を想像すれば良く、多くのお金を持った自分を想像すればいいとなります。想像にも、やり方があり、成功に至るまでを想像する必要はなく、もっとシンプルに、成功した状態を想像します。

ここだけを抜き取ると、簡単なことじゃないかと思われそうですが、そこまでのエピソード、様々な話が語られ、より具体的な方法を述べるところに説得力があり、それを踏まえるからこそ大きな効果がありそうです。

成功には、何が必要かという要素を細かく分け、それぞれについて、どのように自分の中で、それを育てるかという話にもなります。

やる気も、その要素の一つですが、この本の中では、わずかな部分です。この本は、アイディアが詰まっていて、出し惜しみしないため、いくつもの本が書けそうな内容です。それだけ、幅広く書かれています。

この本で好感が持てるところに、誰もが失敗を繰り返し、上手く行かないことを当然のこととして受け止めています。

つまり、ダメな人間だから、成功するために、これをしろ！あれをしろ！とは書かれていません。失敗の中にこそ、そこからつながる成功があり、どんなことも、それを活かすことができれば、やがて、成功に結び付く。そういう考えが、一貫してあります。

小さな成功と失敗を繰り返し、そこから、大きな成功に導くには、ちょっとした考え方の違いだけで、それに気づけるのも、この本のいいところです。若く才能があるものだけが成功するのではなく、どの年齢からでも、成功への糸口はあります。

著者ナポレオン・ヒルは、1970年11月8日に亡くなっており、書かれた時代、歴史を感じるところはあります。ただ、今も昔も、人の本質は変わらないため、非常にためになる本なのは間違いないです。

自分はダメなんじゃないかという劣等感を抱いたり、なぜ、上手く行かないのかと悩みを抱えたり、人生に疲れたときに読むと、気持ちを切り替える大きな切っ掛けになりそうな本です。

この本は、全世界で7000万部を売り上げており、それが分かるような内容でした。今を変えたいと思う人には、お勧めしたい一冊です。